
藤井聡太四段~公式戦9戦目の対局相手は、所司和晴七段です。
所司和晴七段は、藤井聡太四段が公式戦8戦目に対局した大橋貴洸四段の師匠です。
所司和晴七段は、弟子が多く同じく弟子の多い森信雄七段と並べて「平成の名門」あるいは「東の所司、西の森信」と呼ばれています。
弟子に、渡辺明九段(現棋王)や松尾歩八段、女流の伊奈川愛菓女流初段、他数名います。
所司和晴七段の棋風は、居飛車党でなんでも指しこなし、たまに飛車も降りますがもっぱら四間飛車です。
対局は、2017年3月16日に行われた、第30期竜王戦6組ランキング戦です。
[先手]藤井聡太四段[後手]所司和晴七段で始まり、107手で藤井聡太四段の勝ちとなりました。
藤井聡太四段は、公式戦9連勝です。
それでは藤井聡太四段、9戦目の棋譜を少しだけ解説していきます。
私が気になった局面を、将棋ソフトを使ってぷち棋譜解説です。
※将棋ソフトの解析が絶対正しいとは言い切れませんが、私の解説も正しいと言えません。
間違っている場合は指摘してください。
第30期竜王戦|藤井聡太四段vs所司和晴七段の棋譜
対局日 | 2017年3月16日 |
棋戦 | 第30期竜王戦6組ランキング戦 |
持ち時間 | 各5時間 |
先手 | 藤井聡太四段 |
後手 | 所司和晴七段 |
戦型 | 角換わり腰掛け銀 |
棋譜の再生は、Flash Playerで動く将棋棋譜再生盤「Kifu for Flash」を使用しています。
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戦型は、角換わり腰掛け銀で[後手]所司和晴七段の一手損角換わりとなりました。
戦型は腰掛け銀と書きましたが、藤井聡太四段の銀は腰かけません。
先に仕掛けたのは藤井聡太四段で、端を絡めて手を作っていきます。
それに乗じて所司和晴七段も仕掛けますが、藤井聡太四段の読みが上回り圧勝しました。
では、気になった局面を将棋ソフトで棋譜解析、解説していきます。
藤井聡太四段vs所司和晴七段のぷち棋譜解説
将棋ソフト | elmo |
解析時間 | 一手60秒 |
今回の棋譜解析に使う将棋ソフトは、「elmo」です。
所司和晴七段は8筋から攻めたあと、飛車を封じ込められ最後まで飛車を活かすことができず負けてしまいました。
この8筋からの攻撃は、無理な攻撃だったのでしょうか? いや、この8筋攻撃自体は「elmo」も推奨しています。
どこが悪かったのか、「elmo」棋譜解析結果をみているとある局面が気になりました。
それは、藤井聡太四段が59手目▲8六同銀とした局面。
59手目▲8六同銀
8六の銀を取れば銀桂交換で後手が駒得します。
所司和晴七段も△8六同飛と取りましたが、このあと飛車を封じ込められてしまいます。
では何がいけなかったのでしょうか!?
「elmo」で検討して少し解説したいと思います。
検討時間を6分です。
△6六歩を一発入れる!
△6六歩と突き捨てることで、後手の攻めが成立するみたいですね。
△6六歩以下、▲同歩△8六飛▲8七香△7六飛▲5七金△8八歩▲7七歩△8九歩成▲6八玉△7五飛▲8七桂△9九と▲7五桂△同角▲6一飛△4一香▲9一飛成△1二香▲2六角△4二金▲5一龍△4五銀▲同歩△8六歩▲5二銀△8九銀▲8八金△9八と▲8九金△同と▲5八玉△8七歩成▲7六歩△9七角成まで「elmo」は読んでいます。
※将棋棋譜再生盤「Kifu for Flash」にも、「elmo」の△6六歩以下の分岐手順があるので参考にしてください。
評価値は(103)で互角となっています。
△9七角成までの局面では、後手玉は狭く先手玉は広いので、先手が指しやすそうに見えるんですけど、将棋ソフト(elmo)的には互角なんですね。
私なら先手を持って指したいです。
藤井聡太四段~9戦目の感想~
将棋は大局観も大事ですが、やっぱり読みの深さがモノを言いますね。
本譜は、藤井聡太四段が読み勝って圧勝した印象でした。
先日の「詰将棋解答選手権」でも4連覇を達成した藤井聡太四段(現六段)の読みの深さは底をしれません。
これで公式戦9連勝です。
藤井聡太四段の勝敗~9勝0敗/勝率10割~
藤井聡太 棋士~戦績/対局数-9局~ | ||
成績 | 勝敗 | 勝率 |
通算成績 | 9勝0敗 | 10割 |
2016年度 | 9勝0敗 | 10割 |
2017年 | 8勝0敗 | 10割 |
2016年 | 1勝0敗 | 10割 |
※年度は、4月1日から翌年3月31日の期間です。
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