
出典:https://lineblog.me/tommy_76fu_34fu/より
藤井聡太四段~公式戦5戦目の対局相手は、北浜健介八段です。
北浜健介八段は、対局の7割近くが中飛車でゴキゲン中飛車を得意とする振り飛車党です。
また、詰将棋作家として有名ですが、作るだけではなく詰将棋を解く方も得意です。
2007年5月5日に開催された第4回詰将棋解答選手権で優勝した実績があります。
対局は、2017年2月23日に行われた、第67回テレビNHK杯将棋トーナメントの予選です。
藤井聡太四段はNHK杯予選、同日の2局目。
[先手]藤井聡太四段[後手]北浜健介八段で始まり、127手で藤井聡太四段の勝ちとなりました。
藤井聡太四段はこれで公式戦5連勝です。
それでは藤井聡太四段、5戦目の棋譜を少しだけ解説していきます。
私が気になった局面を、将棋ソフトを使ってぷち棋譜解説です。
※将棋ソフトの解析が絶対正しいとは言い切れませんが、私の解説も正しいと言えません。
間違っている場合は指摘してください。
第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント予選|藤井聡太四段vs北浜健介八段の棋譜
対局日 | 2017年2月23日 |
棋戦 | 第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント予選 |
持ち時間 | 各20分/一手30秒 |
先手 | 藤井聡太四段 |
後手 | 北浜健介八段 |
戦型 | 対抗形-後手ゴキゲン中飛車 |
棋譜の再生は、Flash Playerで動く将棋棋譜再生盤「Kifu for Flash」を使用しています。
※パソコンでの閲覧の場合、Flash Player 9以上が必要です。
※スマホやタブレットの場合は、Flash対応のブラウザ「Puffin Web Browser」をダウンロードする必要があります。
Flash対応のブラウザ「Puffin Web Browser」は下からダウンロードできます。
戦型は予想通り、振り飛車対居飛車の対抗形となりました。
後手の北浜健介八段が得意のゴキゲン中飛車を選択。藤井聡太四段は早繰り銀で対抗します。
序盤、北浜健介八段が飛車先の歩を交換に来たスキを突いて、藤井聡太四段が角交換から仕掛けます。
序盤から有利に駒を進めた藤井聡太四段が、徐々に差を広げ最後にはそのまま勝ち切りました。
気になった局面を将棋ソフトで棋譜解析、解説していきます。
藤井聡太四段vs北浜健介八段のぷち棋譜解説
将棋ソフト | 平成将棋合戦ぽんぽこ |
解析時間 | 一手60秒 |
今回の棋譜解析に使う将棋ソフトは、「平成将棋合戦ぽんぽこ」(以下ぽんぽこ)です。
本局の棋譜解析では、評価値グラフを見てもらえば分かるように評価値の乱高下は無く、お互いの対局者にこれと言った悪手はありませんでした。
解説できる気になる局面が無さそうでしたが、1か所ありました。(グラフの点ではありません)
それは藤井聡太四段の89手目、▲3七歩です。
89手目▲3七歩
この▲3七歩の意味は、後手の△1九角成を防ぐ守りの手です。
この手に「ぽんぽこ」は驚いたんです。
棋譜解析の指し手評価にビックリマーク[!]をつけました。
これは、「ぽんぽこ」の候補手(△4六桂)の評価値より上がった場合にでます。(評価値の差が大きい場合に出るみたいです。)
いわゆる好手と「ぽんぽこ」は判断しているのです。
「ぽんぽこ」は、この好手(▲3七歩)を見つけているのか!
気になりますね! 検討時間を6分で検討してみます。
6分の検討でも「ぽんぽこ」は▲4六桂が最善手と判断! 評価値も▲3七歩の評価値には及びません。(▲4六桂”1373″<▲3七歩”1435″)
▲4六桂も5四の銀に当てながら、後手の△1九角成を防いでますが、「ぽんぽこ」の読み手順を見ていると全然違う将棋になります。
※将棋棋譜再生盤「Kifu for Flash」に、「ぽんぽこ」の▲4六桂以下の分岐手順もあるので参考にしてみて下さい。
「ぽんぽこ」は、▲3七歩をまったく読んでないかと言うとそうではなく、早い段階で▲3七歩は候補手として読んでいました。
検討が進むにつれて▲3七歩の評価より、他の候補手の評価値が上がり▲3七歩は候補から外れていった感じです。
この局面は難しい局面で、▲3七歩の他、▲4六桂▲4六歩▲7四歩▲1八香▲5二歩▲8六角などの手は、評価値1200以上あります。
検討時間を長くすれば結果が変わってくるかもしれませんが、指し手が色々あり難しい局面だったことは確かです。
藤井聡太四段~5戦目の感想~
指し手が色々見える場合、迷ったあげく指した手が悪かったことはあると思います。(私の場合多々あります)
将棋ソフトも迷うほどの局面を、藤井聡太四段は間違えませんでしたね。
しかも凄いところは、持ち時間の少ない早指しのNHK杯でですよ!
▲3七歩の局面は89手目なので、待ち時間はほぼ使い切っていたと思われます。
北浜健介八段も善戦しましたが、藤井聡太四段の間違わない将棋に敗れてしましました。
これで藤井聡太四段は、公式戦5連勝目です。
藤井聡太四段の勝敗~5勝0敗/勝率10割~
藤井聡太 棋士~戦績/対局数-5局~ | ||
成績 | 勝敗 | 勝率 |
通算成績 | 5勝0敗 | 10割 |
2016年度 | 5勝0敗 | 10割 |
2017年 | 4勝0敗 | 10割 |
2016年 | 1勝0敗 | 10割 |
※年度は、4月1日から翌年3月31日の期間です。
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