
藤井聡太四段~公式戦2戦目の相手は、豊川孝弘七段。
年が明け2017年1月26日に第43期棋王戦の予選で対局することになりました。
将棋番組の解説でオヤジギャグを言って、見る人を笑わせ解説者としても人気のある豊川孝弘七段です。
先手 藤井聡太四段、後手 豊川孝弘八段で始まった対局は、85手で2勝目を飾りました。
それでは藤井聡太四段、2戦目の棋譜を少しだけ解説していきます。
私が気になった局面を、将棋ソフトを使ってぷち棋譜解説です。
※将棋ソフトの解析が絶対正しいとは言い切れませんが、私の解説も正しいと言えません。
間違っている場合は指摘してください。
前回の#1ぷち棋譜解説で、「将棋ソフトの解析は正しいと思いますが」と書いたのですが、今回の棋譜解析で、将棋ソフトはまだ完璧ではないなと思いました。
そして! 藤居聡太棋士の凄さを思い知らされます。
第43期棋王戦予選|藤井聡太四段vs豊川孝弘七段の棋譜
対局日 | 2017年1月26日 |
棋戦 | 第43期棋王戦予選 |
持ち時間 | 各4時間 |
先手 | 藤井聡太四段 |
後手 | 豊川孝弘七段 |
戦型 | 角換わり |
棋譜の再生は、Flash Playerで動く将棋棋譜再生盤「Kifu for Flash」を使用しています。
※パソコンでの閲覧の場合、Flash Player 9以上が必要です。
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本局の戦型は、角換わりです。
後手の豊川孝弘八段の一手損角換わりの形の出だしとなりました。
序盤早々に藤井聡太四段が仕掛けます。
25手目の▲4五桂が機敏な仕掛け!
一気に中盤となり藤井聡太四段が角と銀桂の二枚替えになりますが、豊川孝弘八段の陣形を崩し小駒も取れそうなので藤井聡太四段が少し有利に立ちました。
終盤は豊川孝弘八段に付け入る隙を与えず、的確に王を寄せに行き勝利しました。
では、気になった局面を解析、解説していきます。
藤井聡太四段vs豊川孝弘七段のぷち棋譜解説
将棋ソフト | 平成将棋合戦ぽんぽこ |
解析時間 | 一手60秒 |
今回も棋譜解析に使った将棋ソフトは、平成将棋合戦ぽんぽこ(以下、ぽんぽこ)ですが、解析された棋譜を見ていて納得できない局面がありました。
※前回より解析時間を一手60秒にして解析精度あげました。
それは藤井聡太四段が指した59手目、▲4七香です。
ぽんぽこの指し手評価は悪手!
評価値も(251)から(-401)となって、形勢が逆転! 後手の豊川孝弘八段が有利となります。
ぽんぽこの最善手は▲4七歩です。
「香車じゃもったいないよ! 歩で十分だよ!」と言っているようでした。
藤井聡太四段が▲4七香と打った意味は、あとから打たれるであろう後手の△4五桂打を防いだ手だと思われます。
だけど、ぽんぽこは△4五桂と打つ手をあまり考えておらず、(考えるが最終的に王の早逃げを考えます)ここで香車を使ってしまった損を悪手として判断しているようです。
▲4七歩と打つ順を、数手検討していきましたが、先手が香車を使う局面は出てきませんでした。(香車を持っていることによって、後手の指し手をけん制する意味はあります)
香車と歩の価値に、どれほどの差があるか数値的に分かりませんが、評価値が逆転して後手有利にかわるほどの差ではないんじゃないか? と私は思いました。
実はここからが本題です。
ぽんぽこの棋譜解析結果が気になった私は、他の将棋ソフトでも棋譜解析してみました。
使用した将棋ソフトは、「elmo」と「技巧2」です。
elmoは、2017年度 第27回世界コンピュータ将棋選手権を制したソフトです。
技巧は、2016年の第26回 世界コンピュータ将棋選手権の順優勝ソフトです。(技巧2となってバージョンアップしています)
ぽんぽこ(平成将棋合戦ぽんぽこ)は、2017年の第5回 将棋電王トーナメントの優勝ソフトで電王の称号を持っています。
あのPonanzaに勝ち、現時点では最強の将棋ソフトです。
この3強ソフトの評価値グラフを並べてみます。
平成将棋合戦ぽんぽこ
elmo
技巧2
どうですか?
ぽんぽことelmoの評価値グラフは似ていますが、技巧2の評価値グラフは少し違いますね。
そうです! 技巧2は59手目▲4七香を悪手と判断していないのです。
検討してみると技巧2の最善手も▲4七歩ですが、▲4七香も3、4番手の候補手として出てきます。
「技巧」開発者の出村洋介さんは、技巧の特徴としてこう語っています。
大局観に相当する評価関数の部分で、羽生先生(羽生善治名人のことだと思われる)などが考慮されているとご著書で書かれていた、駒の損得、駒の効率、玉の堅さ、手番という、人間的な4つの評価項目をもれなく考慮することを意識しています。
引用元:将棋ワンストップ・ニュース「「技巧」開発者の出村洋介さんインタビュー。人間が重視する評価項目をもれなく考慮。自身は観るファン」より
引用URL:https://shogi1.com/gikou-demurayousuke-interview/
技巧は、人間らしい指し手をする将棋ソフトと解釈できます。
技巧は、プロ棋士が解説する形勢判断と近い判断をするんですね。
これから棋譜解析は、技巧でやっていこうかな!
実はこれだけではありません。
さらに驚愕の事実があるんです。
elmoと技巧2の解析結果を並べてみます。
elmo
技巧2
それぞれの先手の一致率をご覧ください。
左のパーセントが【最善手】の一致率、右のパーセントが【最善手と次善手】の一致率です。
【最善手と次善手】の一致率がelmo、技巧2共に93%!
elmoに至っては、【最善手】の一致率が90%です!!
ネット将棋では、将棋ソフトとの指し手の一致率が80%を超えると、ソフト指しを疑われるます。
指し手一致率90%は、私は見たことがありません。
藤井聡太四段は、将棋ソフトと同じ思考、同じ棋力を持ち合わせているという事でしょうか!?
特に技巧2は人間らしい手を指すという点で、藤井聡太四段と似ているのかもしれません。
技巧2と対局したい人はこちら
⇒ 将棋ソフト技巧2のダウンロード方法と使い方!その強さのレベルは?
藤井聡太四段~2戦目の感想~
名人が将棋ソフトに敗れた今、将棋ソフトに勝てる棋士は藤井聡太棋士じゃないでしょうか!!
電王戦がなくなったて、将棋ソフトと藤井聡太棋士との公式対局を見ることは叶わないが、願わくば非公式戦でもやってほしいものです。
藤井聡太棋士がタイトルを獲る前なら可能性があるかも!?
タイトル獲っちゃったら、連盟がやらしてくれないだろうから・・・。
藤井聡太四段の勝敗~2勝0敗/勝率10割~
藤井聡太 棋士~戦績/対局数-2局~ | ||
成績 | 勝敗 | 勝率 |
通算成績 | 2勝0敗 | 10割 |
2016年度 | 2勝0敗 | 10割 |
2017年 | 1勝0敗 | 10割 |
2016年 | 1勝0敗 | 10割 |
※年度は、4月1日から翌年3月31日の期間です。
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