
出典:2016年9月20日王座戦中継サイト 王座戦中継ブログより
銀損どころか角損でも勝っちゃう羽生王座!と金も4枚作って快勝!!
王座戦の1局目で、羽生王座は銀損して快勝しましたが、今度は、角損でも勝ちゃいました。
終盤ならいざ知らず、中盤の真っただ中のできごと。
形勢が有利なときじゃない! 形勢不明のときだよ!
これって、とんでもない事だよね(*´ω`*)
しかも、と金が4枚もできる珍しい局面も出現!
170手にもおよぶ大熱戦! 勝負を左右した局面は・・・?
COMの棋譜解析で明らかにしていきます。
第64期王座戦5番勝負 第2局
第64期王座戦第2局は、9月20日に京都府京都市東山区のウェスティン都ホテル京都で行われました。
第2局を羽生王座が勝ち、1局目からの2連勝で、あっというまに王座防衛に王手をかけましたね。
羽生王座が快調なのか! 糸谷八段が不調なのか!
早速、フラ盤をご覧ください。
【将棋棋譜】糸谷哲郎八段 vs 羽生善治王座
Android(OS)端末で[このプラグインはサポートされていません。]と表示される方はこちらを参考にしてください。
⇒ Android 4.4でもFlashをネイティブ再生できるブラウザ「FlashFox」
第2局は、糸谷八段の先手で対局が始まりました。
そして注目の戦型は、というと?
後手番の羽生王座が振り飛車! しかも藤井システムを採用してきました。
羽生王座は、なんでも指しこなすオールラウンダーな棋士ですが、タイトル戦で藤井システムとは興奮しましたね(#^^#)
藤井システムをめぐる攻防戦は、どの様な戦いだったのでしょうか!
COM棋譜解析
コンピュータ将棋で棋譜解析をしていきます。
思考エンジンは技巧
将棋GUIソフトはShogiGUI
技巧のダウンロード方法はこちら
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緑〇の103手目に、羽生王座が角損した局面です。
技巧(COM)は、ほぼ互角の形勢判断であり、もちろん角損は読み筋でした。
そして、170手におよぶ大熱戦の勝負所だった局面は2か所。
69手目と123手目にありました。
もう1つ、藤井システムの攻防があった60手目。
この3つの局面をCOMで深く検討、棋譜解析します。
60手目の解析
戦いが始まった60手目。
羽生王座の△5四歩に、技巧は疑問手を付けた局面です。
評価値(271⇒615)先手有利
技巧の最善手は?
△5四銀以下、▲6八角△6五歩▲5五歩△同角▲5六金△1六歩▲5五金△同銀▲6五歩△1七桂で、この後も激しい攻防戦が続くが、技巧は互角で戦えると読んでいる。
評価値(285)
難しい藤井システム
羽生王座は藤井システムを使いこなせていなかった事実!
本局は勝ったから良しとしよう(*^。^*)
本家の藤井九段なら、どんな指し回しを見せたのかな?
69手目の解析
▲3四と の、一手前68手目までは先手が良かった。評価値(466)
局後の感想戦でも、と金を引く手が遅かったとコメントしています。
では、どの手が早かったのか?
技巧の最速の攻め筋は!
▲2三と と、飛車を追うのが早いようだ。
▲2三と 以下、△1五飛▲2四と△3七歩成▲1四と△2七と▲1五と△同香▲2五飛△3九飛▲2一飛成が技巧の攻め筋です。
評価値(439)
これなら先手は、有利に戦局を進められただろう。
まだ互角!
▲3四と で悪くなったわけではない。技巧の評価値は(0)の全くの互角!
事実、このあと50手は互角の勝負が続いていきます。
69手目が、勝負どころの局面だったのは間違いない。
123手目の棋譜解析
糸谷八段が指した▲3四馬は、大悪手!
技巧の評価値が(0⇒-704)と大きく振れ、勝負均衡が一気に崩れた局面だ。
後手の勝負手は!
技巧で深く検討してみます。
最後まで活躍することのなかった飛車を、ここで使う▲3二飛が技巧の最善手だった。
▲3二飛以下、△7二銀▲3一飛成△6六桂▲同金△同歩▲5五歩△6四飛▲6八歩△6七金▲7九金で互角とみている。
評価値(-30)
△3三歩が味良くみえるが・・・。
次に、後手の△3三歩と打つ手が一見、馬と龍の道をふさぐ味良い手に見えるが、△3三歩には▲5五金と打っていくと少し先手が良くなると技巧はよんでいる。評価値(145)
棋譜解析まとめ
終盤まで互角の攻防が続いた熱戦の対局でしたね。
この棋譜解析を始めてから、初めての振り飛車だたので楽しめました。
勝負は、羽生王座が勝って2連勝し早くも防衛に王手です。
次回、第3局は10月4日に山形県上山市葉山の葉山館で行われます。
最後に、コンピュータ将棋がすべて正しいとは限らないので、あくまで一つの形勢判断として参考にしてもらえたと思います。
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