
出典:2016年8月31日王位戦中継サイト 王位戦中継ブログより
羽生王位!評価値(2500)からの逆転負け!!
COM(技巧)の評価値で(2500)は勝勢の局面です。
時間もなく終盤の難しい将棋でしたが、羽生王位が決めきれず負けてしまいました。
かつては終盤で不利になっても、鬼気迫る強さを見せた羽生王位はどこにいってしまったのか!!
ましてや逆転されるとは・・・。
局面が二転三転した壮絶な戦いを、COMの棋譜解析で明らかにしていきます。
第57期王位戦七番勝負 第5局
第57期王位戦第5局は、8月30・31日に徳島県徳島市でおこなわれました。
逆転された将棋をされに逆転し見事勝利! 長手数に及ぶ死闘を木村八段が勝ち取りました。
これで木村八段が王位戦を3勝2敗とし、初タイトル獲得が現実味をおびてきました。
では、フラ盤で熱い戦いをご覧ください。
【将棋棋譜】羽生善治王位 vs 木村一基八段
Android(OS)端末で[このプラグインはサポートされていません。]と表示される方はこちらを参考にしてください。
⇒ Android 4.4でもFlashをネイティブ再生できるブラウザ「FlashFox」
第5局は、羽生王位の先手です。
戦型は、第4局と同じく角換わりとなりました。
先後が変わっての角換わりです。
172手に及んだ死闘を、二人はどのように戦ったのでしょうか!!
COM棋譜解析
コンピュータ将棋で棋譜解析をしていきます。
思考エンジンは技巧
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早速、棋譜解析したグラフを見てください。
114手目は、これまで有利だった木村八段が、桂取りをうっかりして逆転してしまった局面です。
その後、羽生王位に形勢が大きく振れ、124手目には評価値(2509)と勝勢にまでなったのですが、決め手を発見できずに一進一退の攻防が続きます。
再び形勢が良くなり、139手目には評価値(1489)と優勢にまで回復しましたが、難しい受けの局面を乗り越えられず逆転負けしてしまいました。
今回は、125手目と139手目の勝負所だった局面を棋譜解析していきたいと思います。
125手目の棋譜解析
▲6七角打は普通の受けだが、COM(技巧)に言わせれば大悪手なのであろう。
評価値(2509⇒1002)
では、最善手は!
検討してみます。
技巧の最善手は▲2五角打でした。
一見、△6七金が怖いが、▲8八玉△6八桂成に▲5八角と龍を取って大丈夫である。
△4九龍と逃げるのは、▲5五角で後手玉に詰めろがかかる。
▲2五角以下の読み筋
▲2五角以下、△3六歩▲4二銀△2三金打▲3六角△3八龍▲4七銀打△3九龍▲7三角成と進み、評価値(2586)で勝勢である。
しかし1分将棋では、この筋は読めないかもしれない。
▲6七角打でまだ優勢なら、▲6七角を選ぶだろう。
139手目の棋譜解析
△5六桂の銀取り詰めろに、▲7七銀右とかわして受けるのが筋だが・・・。
技巧は悪手を表示。
評価値(1489⇒407)
技巧はどう受ける?
銀を見捨てての早逃げが妙手!
△6八龍と銀を取れば▲3一飛車から後手玉が詰む。
△6八桂成と銀を取ると、▲2四銀で後手玉に受けがない。
詰ましにいくしかないが、先手玉が実は詰まないのである。
▲8八玉に銀は取れない!
▲8八玉と指されたら、後手は受けの一手となる。
▲8八玉以下、△3一銀▲8二飛△7二角▲7七銀右△6七歩▲同銀△3四金▲2四歩△2二歩▲9二飛成が技巧の読み筋。
評価値(1337)
棋譜解析まとめ
第5局は、終盤の1分将棋を制した木村八段が勝ち、初タイトルに王手をかけましたね。
今回の対局は、時間は大切だとあらためて思った一局でした。
いかにプロ棋士だろうと、時間がなければ間違うし最善手も見つけられない。
そして逆転もありえるのです。
それはコンピュータでも一緒だと思います。
1分将棋だと、いかに技巧といえども139手目に▲8八玉は指せません。
最後に、コンピュータ将棋がすべて正しいとは限らないので、あくまで一つの形勢判断として参考にしてもらえたと思います。
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