
出典:2016年8月10日王位戦中継サイト 王位戦中継ブログより
COMは見ていた!『受け師』木村八段が受けなかった瞬間!!
それは終盤の真っただ中の出来事。
終始受けに回っていた木村八段だが、反撃にでた攻めの手がいけなかった。
COMは悪手の表示! 木村八段は受けるべき局面でした。
しかも受けれる瞬間がもう一度あったのだが・・・。
目まぐるしく変化する終盤戦をCOMで検討、解析していきます。
【将棋棋譜】第57期王位戦七番勝負 第3局
第57期王位戦第3局は、8月9・10日に北海道旭川市でおこなわれました。
第3局を羽生王位が勝ち、一歩リードした王位戦ですが既に第4局、第5局も終了していますね。
みなさん勝敗は分かっていると思います。
記事を書くのが遅くて申し訳ない。
頑張ってどうにか追いつきたいです。
とりあえず第3局の棋譜をフラ盤でご覧ください。
羽生善治王位 vs 木村一基八段
Android(OS)端末で[このプラグインはサポートされていません。]と表示される方はこちらを参考にしてください。
⇒ Android 4.4でもFlashをネイティブ再生できるブラウザ「FlashFox」
第3局は、羽生王位の先手番です。
第1局と同じ出だしとなり横歩取り模様。
第1局を負けた羽生王位は、矢倉なり角換わりにすることで横歩取りを拒否することもできるのだが・・・。
でも、やっぱり横歩取りなんですね(*’▽’)
負けっぱなしは嫌なんです!
将棋は、37手まで前例のある局面が進みます。
そして、新たな局面を二人が作っていきました。
COM棋譜解析
コンピュータ将棋で棋譜解析をしていきます。
思考エンジンは技巧
将棋GUIソフトは【ShogiGUI】
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早速、棋譜解析したグラフを見てください。
88手目、後手の木村八段が攻めに転じた局面だが大きく評価を落としてしまう。悪手だ!
続いて89手目の羽生王位の指し手も悪手!
90手目は木村八段に、もう一度受けるチャンスがあった局面です。
今回は。88、89、90手目の緊迫した3手を検討、解析したいと思います。
88手目の解析
木村八段が攻めに転じた香打ちだったが、技巧(COM)は悪手の表示。
評価値(276⇒1139)
技巧が示した最善手は受けの一手でした。
評価値は(187)と互角を維持できたようだ。
△5二玉は先手の▲1四飛からの▲7一角打を先に受けているようです。
△5二玉以下、▲3五飛△3七馬▲同金△3二歩▲1四飛△同歩▲1六角△2八飛▲3八金を技巧は読んでいる。
受けなかった木村八段
『受け師』と呼ばれるほど、受けに定評がある木村八段が受けなかった瞬間である。
何か誤算があったのか? △7四香と攻めの手を指してしまった。
次に、先手の▲1四飛から▲2三歩が厳しいと現地の解説陣は言っています。
89手目の解析
悪手に悪手をお返ししてしまった羽生王位。
なぜ! 悪手だったのか技巧(COM)で検討してみます。
やはり現地の検討陣と同じく、▲1四飛車から決め手があるようですね。
▲1四飛以下、△3七馬▲3三角△同銀▲同歩成△同玉▲3五飛△4四玉▲3七飛△3五歩▲6六角を技巧は読んでいます。
評価値(1025)で先手優勢だったようです。
なぜ! 悪手なのか?
ズバリ! 決め手を逃したからです。
羽生王位の▲7七歩はごく自然な受けの手なのですが・・・。
意味は、90手目の棋譜解析で分かります。
90手目の棋譜解析
羽生王位が決め手を逃したことによって、木村八段に再びチャンスがやってきましたが・・・。
指した手は△6四歩。
チャンスとは! 技巧で検討しました。
最善手は、88手目と一緒で△5二玉の受けの一手。
評価値(-14)互角。
木村八段はチャンスを生かせませんでした。
逆転の可能性!?
この局面、木村八段がチャンスを生かせていたら逆転していたかもしれない!?
90手目の△5二玉は評価値(-14)と微妙に形勢が後手に振れます。
89手目の羽生王位の悪手の意味がここにあります。
棋譜解析まとめ
第3局は、木村八段らしからぬ対局となりましたが、第4局と第5局で力を見せましたね(^○^)
今回の棋譜解析の全体を見ると、技巧(COM)の評価値の振れ具合が、現地の検討陣の解説と同調しているかのような棋譜解析でした。
COMの実力がプロ棋士と似通っているという事ですね。
最後に、コンピュータがすべて正しいとは限らないので、あくまで一つの形勢判断として参考にしてもらえたと思います。
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