
出典:2016年7月28日王位戦中継サイト 王位戦中継ブログより
独創的な大局観を見せる羽生王位!2局目を勝ってタイに持ち込む
中盤、羽生王位の銀がそっぽに行きます。
その手は、誰も予想できなかった羽生王位の柔軟な一手でした。
その後、木村八段の勝負手にも物ともせず、羽生王位が完勝します。
第57期王位戦七番勝負 第2局
第57期王位戦第2局は、7月27・28日に兵庫県神戸市でおこなわれました。
初戦を落とし、調子がいまいちだった羽生王位ですが見事に勝ち、ファンは胸を撫で下ろしていることでしょう。
これで1勝1敗のタイになり、まだまだ王位戦の行方は分かりません。
では、第2局の棋譜をフラ盤でご覧ください。
【将棋棋譜】木村一基八段 vs 羽生善治王位
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第2局目は、木村八段の先手番です。
予想は、矢倉か角換わりの居飛車戦だが、矢倉戦へとなりました。
先手の木村八段は、早囲いで矢倉を目指します。
一方、羽生王位はオーソドックスな矢倉本組みです。
お互いに前例のある局面を過ぎ、未知への局面へと進んでいきます。
二人は、どの様な未知の局面を戦ったのでしょうか!
COM棋譜解析
コンピュータ将棋で棋譜解析をしていきます。
思考エンジンは技巧
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早速、棋譜解析したグラフを見てください。
56手目は、後手の羽生王位が△4五銀と独創的な手を指した局面。
一見、敵玉とは反対にそっぽを向く変な手だが、木村八段の大駒を攻める狙いを秘めています。
ゆっくりしていられない木村八段は、勝負手を放ち終盤まで粘りましたが・・・。
COM(技巧)は、木村八段の79手目と85手目に悪手を指摘します。
今回は、79手目と85手目の最善手探していきたいと思います。
79手目の解析
技巧が最初にに悪手を付けた局面。評価値(30⇒-493)
▲5三歩は手筋の垂らしですが、これは取ってくれればの話。
放置されて困ります。
先手はどう指せば良かったのでしょうか?
技巧で検討してみます。
最善手は▲2三歩成で、以下△同金▲5二飛△4五角△7三歩成▲4六銀△2四歩△同金▲5五飛成で互角を維持できそうだ。評価値(-38)
木村八段の指した▲5三歩の垂らしは第3候補手で評価値は(-532)、かなり悪い。
反撃開始!!
▲5三歩を放置し羽生王位は反撃にでます。
次の△5八銀が厳しく、この手を境に羽生王位が徐々に有利となっていきます。
85手目の解析
▲5二歩成に技巧は二度目の悪手をつけました。
この手で一気に後手優勢へと変わります。
評価値(-368⇒-1012)
果たして粘る手はあったのか?
▲9三龍以下、△4五角▲5六桂△7六香▲7七桂△4六金▲4一銀△1四歩▲1六飛△5六金▲同金を読んでいます。
評価値(-300)で先手は粘れるが、飛車を1六に打つような読み筋じゃ勝てないか!?
開き直る木村八段
木村八段は局後の感想で『まあ、開き直るしかないです』と述べています。
検討陣も先手が良くなる順が発見できないので、この局面じゃ開き直るのも無理はない。
開き直ってもそれを許さない羽生王位、王手龍取りを決め堅実に勝利を掴みにいきます。
棋譜解析まとめ
今回の対局の両者、あなたはどう見ましたか?
羽生王位が調子を取り戻したのか? または、木村八段の調子が悪かったのでしょうか?
棋譜解析で見れば、悪手を二手指した木村八段の調子が悪そうですが・・・。
私は、独創的な△4五銀を指した羽生王位の復活とみたいですね(*’▽’)
ちなみに、COM(技巧)は△4五銀を次善手として読んでいました。(最善手は、△6五銀)
流石、技巧~(゜_゜)
最後に、コンピュータがすべて正しいとは限らないので、あくまで一つの形勢判断として参考にしてもらえたと思います。
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